歯の豆知識ブログ

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骨が薄いと言われてインプラントを断念したことはありませんか?

こんにちは。

川崎区小島新田駅前のパール歯科医院です。

 

引き続きインプラントについての

記事をかかせていただきます。

 

インプラント治療を行うにあたり、

非常に大事になってくる要件が

いくつかあります。

 

そのひとつとして、

インプラントを安全に植立するためには、

顎の骨の状態がポイントになります。

 

歯が抜けた後の骨の状態は、

抜いた原因にもよりますが、

本来の顎の骨の状態から大きく

形態を変えている事がよくあります。

 

そのような状態でインプラントを行うと

どうしても成功率は低くなってしまいます。

 

適切な状態でインプラントを埋入することで、

インプラントの長期的な安定や

術後の問題が少なくなります。

 

歯を失ってものを噛む刺激が

顎の骨に伝わらなくなっていくことで、

骨は少しずつ吸収され、痩せていきます。

 

歯を失ってから時間が過ぎれば過ぎるほど、

骨の吸収の度合いは

大きくなる傾向があります。

 

そして、インプラントを埋め込むために

必要な骨の量が足りなくなると、

インプラントを埋め込んだときに

貫通してしまう恐れがあります。

 

上記で述べた通り、

安全にインプラントを埋め込むためには、

埋め込む際に必要になる骨の高さや厚みを

確保しなければなりません。

 

このようなときに行なうのが

GBR法手術』

Guided Bone Regeneration=骨誘導再生)

です。

 

これは、アゴの骨の再生を促す手術で、

骨の厚みや高さを増やす必要があるときに

適用されます。

 

そのGBR法のやり方を説明しますと、

まず、埋め込んだインプラントの露出面に、

骨補填材(骨の代わりとなる人工材料)を

配置します。

 

その上からメンブレンと呼ばれる

コラーゲンでできた人工の膜で覆い、

骨が再生するまで約46ヵ月ほど待ちます。

 

インプラントと顎の骨が

しっかりと結合したら、

最終的に人工の歯を装着します。

 

このGBR法は

インプラントを埋め込む前でも施術可能です。

 

メンブレン.jpg

 

GBR法を適用する場合のメリットは

 

・従来の骨があったように

骨を造ることで健康的な

美しい歯茎の形態をつくることができる。

 

・しっかりとインプラントを

支えることができる。

 

・歯磨きやその後の衛生管理がしやすくなる。

 

 

そしてGBR法のデメリットは

 

・手術時間が長くなりやすい。

 

・骨の再生に限界がある。

 

・手術回数が増えることで

治療終了までに時間がかかることがある。

 

以上になります。

 

GBR.jpg

 

また、GBR法を適用した場合、

手術した部分を圧迫や負荷をかけないよう、

日常生活にも配慮が必要になります。

 

手術部位を圧迫すると

その部分が貧血になりやすく、

傷の治りが悪くなることがあります。

 

また、術後しばらくは違和感が残りますが、

歯ブラシでつついたり、

舌や指などで押したり

刺激を与えたりしてはいけません。

 

盛り足した骨はやわらかいため、

触って刺激を与えてしまうと

骨が変形することがあります。

 

骨造成は、非常に難易度の高い治療です。

 

それにはメリット、デメリットなどもあり、

骨造成の必要の有無は

患者様によっても違います。

 

骨造成により多少の時間や費用は

加算されてしまうかもしれませんが、

インプラント治療における成功要件である、

機能性、審美性、長期安定性など

基本的な部分が確実になるのであれば、

選択するべき治療方法だと思います。

 

お口の悩みをお持ちの皆様、これができればはだいたい解決 プラークコントロール

昨今TVCMで綺麗な女優さんが(上戸彩とか天海祐希とか)、プラークコントロールとか歯周ポケットとか言ってくれるので、患者様への説明がとても楽になりました。自分が歯医者になりたての昭和の終わりは、プラークコントロールの重要性を伝えてもなかなか理解してもらえませんでした。

曰く、「歯磨きなんてものは朝の身だしなみの一つで、仮にやらなかったとしても大きな問題にはなるまい、だいたい歯なんてものは年齢とともに自然と抜けていくものだ。」

と本気で考えていた患者様たくさんいました。こういった患者様にプラークコントロールの大切さを伝えるのは一苦労、若かりし自分の話し方も拙かったかもしれませんが、当時「プラークコントロール」「歯周ポケット」なんていう言葉を知っている患者様はほぼ皆無プラークコントロール指導に尋常ならぬ苦労がありました。

さてお口の中の2大病といわれるむし歯と歯周病は、徹底的なプラークコントロールを行うことでかなり防ぐことができます。このプラークコントロールで除去すべきプラークとかバイオフィルムといわれる物質は、以前も記したように歯周病菌やむし歯菌の巣窟で、種々の問題を起こす原因です。そしてここからが複雑なところですが、プラーク・バイオフィルムの中にいるむし歯菌も歯周病菌も1種類ではないのです。明らかな悪玉菌、さらに日和見菌という少しだけ悪玉菌、さらには全く悪さをしない菌がお互いに助け合い、支えあいながらプラーク内の社会を築いています。そして悪玉菌が勢力を伸ばしプラークが十分成熟したり、人間の免疫力がおちてきたりすると、この悪玉菌が大暴れさらには普段は大人しい日和見菌までもが調子に乗って大暴れという状況になってしまうのです。ここでプラークコントロールの重要性がでてくる次第です。しかしある意味プラークを100%除去するというのは、無理なことであることご存知でしょうか。プロフェッショナルである歯科医師や歯科衛生士でさえ、ブラッシング後の歯の汚れを確認する染め出し検査をすると、数%ですが汚れが残るものなのです。ただ明らかに言えることは、口腔内の悪玉菌の数を減らす、そしてプラークを成熟させないということです。

プラークの成熟は約24時間かかると言われています。むし歯菌・歯周病菌が歯の表面や歯周ポケットに住み着いて、仲間を増やして日和見菌を仲間に引きずり込んで悪さをするまでの時間です。理論上24時間に1度お口の中のプラークを100%除去すれば問題はなくなるのですが、100%除去は前述したように原則無理ですし、お口の中のに食べ物特に甘いものが入るとむし歯菌が活性化されるのです。結論としては夜寝る前にに時間をかけて徹底的にプラークコントロールを行う。そしてその後は何も食べずに就寝する。また食後は簡単でもよいので同じく歯を磨く、最後に健康な状態を保って免疫力を高く保ち、タバコを喫わないということです。俳優の大泉洋が「これ使っときゃだいたいうまい!!」というめんつゆのCMがありましたが、同じくこれができればお口の悩みはだいたい大丈夫です。ただ厳密にいうと細菌のコントロールの他、咬合力のコントロールも必要になるのですが、これについてはまたいつか。

 

インプラントの寿命を縮める周囲炎とは?

こんにちは。

川崎区小島新田駅前のパール歯科医院です。

 

今日は前回書いたインプラントの寿命を

縮める歯周病について書かせていただきます。

 

40歳以上の日本人の大部分の人が

歯周病に罹患(病気にかかる)している事を

ご存知でしたか?

 

日々の生活習慣が

この病気になる危険性を高めることから、

生活習慣病のひとつとも考えられます。

 

インプラントはチタン等でできた人工物です。

 

ですので虫歯にはなりません。

しかし、歯周病にはなるのです。

 

昔はインプラント周囲への

感染による病気はないと

考えられていましたが、

インプラント周囲も

プラークによる歯周病と

同じような病気が発現し、進行するのです。

 

歯周病は、歯に付着した細菌の塊によって

引き起こされるある種の感染症です。

 

歯肉炎に始まり、放っておくと

歯にそって細菌が侵入し、

歯を支えている歯周組織、

つまり歯の根の周りにあるセメント質や

歯槽骨などを破壊します。

 

この歯周組織を失った状態が歯周炎です。

 

このまま放置しておくと

最後には歯が抜けてしまうので

進行を止める治療が必要です。

 

プラークは口の中にある歯のような

固いものに付着します。

 

上記の通り、

歯と同じようなインプラントにも

プラークは付着します。

 

インプラントにプラークが付着すると、

インプラント周囲の歯肉にも

歯肉炎と同様に

炎症を発症してしまいます。

 

インプラント周囲の歯肉に

炎症が起こることを

インプラント周囲粘膜炎といいます。

 

そしてインプラント周囲粘膜炎も

歯肉炎と同様に歯ブラシなどで

プラークを除去すれば治すことが可能です。

 

歯周病が歯面にそって進行するように、

このインプラント周囲粘膜炎も、

放っておくと感染が進行し、インプラントを

支えている顎の骨が喪失してしまいます。

 

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つまり、インプラントを支える顎の骨に

炎症が達した状態、

すなわちインプラントの歯周病を

正確にはインプラント周囲炎と呼びます。

 

そして、インプラント周囲炎の要因は、

従来の歯周病と全く同じでプラーク内の

歯周病菌による感染です。

 

また、喫煙することや

噛み合わせに問題があると、

インプラント周囲炎は

悪化のスピードを早めます。

 

インプラントの周囲では天然の歯に比べ、

歯周病菌に対しての防御機能が弱いので

歯周炎に比べて

進行は早くなる傾向があります。

 

天然の歯に比べてインプラントの方が

口腔内のケアが難しいといえます。

 

ではインプラント周囲炎の治療方法は、

どのようなものなのでしょうか?

 

インプラント周囲炎になってしまった場合の

治療方法は、進行の度合いによって

幾分変わってきます。

 

基本的に行うことは細菌の除去であり、

インプラントの周囲に蓄積してしまった

歯石やプラークを専門の器具で除去します。

 

さらに歯周ポケットに薬剤を詰める、

または薬剤などでうがいをして

口腔内の殺菌も行います。

 

初期段階のインプラント周囲炎なら

これだけで完治は可能になります。

 

しかし、これでも改善が見られないほど

進行している場合は

ほかの治療方法に移ります。

 

具体的には、歯肉を切開して

インプラント体を取りだして磨く、

または歯周ポケットを切除する

といったことを行います。

 

さらに顎の骨が

溶かされてしまった場合などは、

骨移植などの再生療法などで

対処する場合もあります。

 

インプラント周囲炎は怖い病気ですが、

歯磨きと定期的なメインテナンスを

しっかり行うことで予防出来ます。

 

また、定期的なメインテナンスなどを

欠かさなければ例え症状がでてきても

初期の段階で良くなります。

 

インプラントが

抜け落ちる事態になってしまうと

治療も大掛かりになります。

 

インプラントは天然の歯以上の

ケアや注意が必要だといえます。

 

ですので、

インプラント治療をおこなった際は

しっかりとしたケアを心がけましょうね。

 

 

インプラントに寿命はあるの?

こんにちは。

川崎区小島新田駅前のパール歯科医院です。

 

今回もインプラントについて

ご説明させていただきますね。

 

 

インプラントの寿命は

一体どれくらいなのでしょうか?

 

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これは、インプラント治療を受けた患者様や、

インプラント治療にご興味のある患者様には

とても気になることだと思います。

 

簡単に話してしまいますと、

インプラントには

寿命というものはありません。

 

インプラントは、それ自体が腐ったり、

劣化するものではないからです。

 

しかし、天然の歯と同じように

インプラントにも歯石が着いたり、

インプラントの周りの骨が

歯周病菌の影響で溶けたり、

インプラントの周りの歯茎が腫れたり、

インプラントが揺れてきたりして

インプラントを

取らなくてはいけないことはあります。

 

すなわち、

インプラント自体が虫歯にはなりませんが、

歯周病にはなってしまうのです。

 

また、インプラントは毎日の使用に耐える

小さな精密部品ですから、

使い方によっては壊れることもあり、

お手入れ次第で

使用期限と呼ばれるものにも

大きな差が出てくることもあります。

 

歯科のあるデータによれば、

一般的にインプラントは、

およそ10年使用期間では

90~95%が残存すると言われています。

 

ただし、この平均残存率は、

患者さんのお口の状態などによって

大きく異なってくるのです。

 

要するに、全身の健康状態や口の中の

衛生状態の有無等々……

インプラントを取り巻く環境によって

個人差があり、寿命が何年かというのは

一概には言えないのです。

 

では、そのインプラントを

少しでも長く保つには

どのようなことが重要になるのでしょうか?

 

それはご自分の歯と同じように

歯周病を予防し、定期的に歯医者さんの

メンテナンスを受けるということです。

 

もっとも避けたいのは、

インプラント周囲炎です。

 

これはインプラントの

歯周病ともいわれています。

 

自然な歯の歯周病と違う点は

進行がとても早いということです。

 

異変に気づいたときには、

すでに手遅れとなることもよくあります。

 

また、インプラントの寿命以前の話ですが、

インプラントが定着する前に起こりうる

リスクもあるのです。

 

インプラントの治療で最も重要な時期は、

施術してからのおよそ2ヶ月間です。

 

チタン製のインプラントと顎の骨が

結合していく時期ですが、

この間に細菌などに感染すると、

骨との結合がうまくいかずに、

インプラントが抜けてしまうというケースが

たまに見られます。

 

同様の視点から禁煙をすることも重要です。

 

今や喫煙と歯周病の関連性は

世の中の常識となりつつあります。

 

また、過大な咬合力にも注意が必要です。

特に就寝時に歯ぎしりの強い患者様は

不自然で大きな力がインプラントに

かかってしまうことがあります。

 

これもインプラントの寿命

縮めてしまいます。

 

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まとめますと

1.歯科医院での定期的なメンテナンス

2.歯周病予防などの口腔ケアと健康管理

3.禁煙

4.歯ぎしり防止のマウスピースの使用

 

などがインプラントを長持ちさせる

秘訣になってくるのです。

 

インプラント治療は、

欠損している部分の歯を補うための

治療法として、見た目や噛み心地、

耐久性において、

もっとも優れたものと言われています。

 

そして、そのインプラントを

最大限に生かすための

インプラント治療後のメンテナンスなどは、

自然な歯と同じくとても

大切になってくるのです。

 

つまり、天然の歯と同じく、

メインテナンスなどを怠れば、

必然的に寿命と呼ばれるものは短くなり、

ご自身での日々のメインテナンスと

定期的な歯科医院でのチェックを

欠かさなければ、

まさに第2の永久歯として

食生活や患者様ご自身の

人生を豊かなものにしてくれるでしょう。

 

インプラント治療に対してご興味や、

ご不明な点等ございましたら、

当院までご連絡くださいね。

 

 

インプラントの最新技術と設備を完備!

こんにちは。

川崎区小島新田駅前パール歯科医院です。

引き続きインプラント治療について

説明させていただきますね。

 

インプラント治療は、ここ数年で、

めざましい進歩を遂げているのを

皆さんはご存知でしょうか?

 

これまでは手作業と術者の勘で

行っていたインプラント手術が、

現在はCTとコンピューターの連動により

画像診断などによって設計図通りの

安全で精密な手術が

行えるようになっています。

 

インプラント治療は顎骨に土台となる

人工歯根を埋め込む必要があるため、

骨がしっかりしていなければ治療できません。

 

しかし、最近は骨を増やして、

強くする骨造成術や骨移植術の技術が進み、

骨が脆弱な人や骨が少ない人にも

インプラント治療が行えるようになりました。

 

特に人工骨の進歩は画期的です。

 

このように、インプラント治療の技術は、

ヨーロッパやアメリカを中心に

世界中の学会で研究され、

その技術が広く共有されつつあります。

 

インプラントによる手術でできた傷口の

早い治癒方法をはじめ、上記の骨の再生や

骨の移植、インプラントの

メンテナンス方法など、

こういった学会や研究会などによって

明らかにされることで、最新技術が

世界中で共有されるようになっています。

 

その最新技術例として、

下記のものがあります。

 

 ◆イミディエイトローディング法

インプラントは手術によって

インプラントと骨が骨結合するまでに

約3か月から6か月程度の

時間がかかりますが、

最新のインプラントは、

骨との接着能力が向上し、

この期間が短縮傾向にあります。

 

条件が揃えば

インプラントを埋め込んだ当日に

歯が入って食事ができるようになっています。

 

過去とくらべると長足の進歩ですが、

まだ進歩段階と私は考えています。

 

◆フラップレス手術

フラップレス(無切開手術)は、

術前のCT撮影と

コンピュータシミュレーションによる

診断によって可能になる手術の方法です。

 

フラップレスによるインプラント治療は、

一般的なインプラント手術は

歯肉の切開、縫合が必要ですが、

このステップが省略できるため、

手術時間を短縮することが可能で

出血もほとんどなく

術後の腫れや痛みまで

軽減できる術式です。

 

ただ現状としては

いくつかの条件が必要になるため、

今後のさらなる進歩が待たれるところです。

 

 

 

〜最新設備〜

 

◆歯科用CT

パール歯科医院は歯科用CTを導入しています。

CTは通常のレントゲンと比べて、

立体的に神経や血管、顎の骨の状態を

知ることができます。

 

インプラントを安全に

あごの骨に埋めるためには、

神経の走行や血管などの位置を正確に知って

診断することがとても大切になるため、

立体的に撮影できるCTが必要不可欠です。

 

通常のレントゲンでは平面(二次元)での

顎の骨や神経の状態が分かりますが、

奥行き(三次元的情報)が

分かりづらいのです。

 

インプラントの治療計画を立てる際には、

神経、血管、骨の位置や状態を

立体的に知ることが大変重要になりますので、

レントゲンの画像だけでは難しくなります。

 

安全にインプラントの手術をするために

CTは欠かせない設備なのです。

 

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◆サージカルガイド

 

歯科用CTと専用のソフトを連動させ、

骨にインプラントを埋めるために

より正確な位置を決める

マウスピースのようなものです。

 

コンピューター上であらかじめ

インプラントを埋める位置、

深さ、方向などを決め、

それに合わせて骨を削るドリルが

正確な位置に入るよう誘導してくれます。

 

手術の外科的侵襲、手術時間等が減少します。

 

近年、最も進歩した分野で、

パール歯科医院でも

積極的に取り入れています。

 

サージカルガイド.jpg

 

上記のようにインプラント治療を含め、

歯科治療の技術などは日々進歩しています。

 

また上記以外にもまだまだ

新しい技術や設備はたくさんあります。

このように進歩した技術や

設備が増えることで、

インプラント治療の成功率もあがり、

またインプラントも患者様により

身近なものになるではないでしょうか?

 

 

歯科治療の今昔、歴史を知れば現状がわかる

ロンドン大英博物館に展示されているミイラにはゴールドの詰め物があるそうです。ということは約3000年前の人類もむし歯に悩まされて治療を受けていたということになります。

歯の治療は昭和の後期くらいまでは、むし歯の治療と入れ歯作りが中心でした。自分も先輩の歯科医師から、「歯医者の腕は入れ歯作りだ」ということを教わって、母校の入れ歯専門の医局で卒業後数年間薄給で修行をさせてもらいました。その後平成になると歯周病治療の急速な進歩、予防歯科、CT・インプラントと新しい分野が次々と沸き上がり、直近ではCADCAM・マウスピース矯正等の新しい波が押し寄せ、勉強する時間がいくらあっても足りないくらいです。

さて歴史を知ることにより未来が見えてくることよくあります。

むし歯菌発見の歴史について紐解いてみます。

明治時代初期にフランスの生化学者だったパスツールにより病気の多くは細菌による感染症であることが解明され、結核菌・ジフテリア菌・赤痢菌・ペスト菌・コレラ菌などがあいついで発見されました。細菌学の幕開けといえるでしょう。その後アメリカ人で世界最初の口腔細菌学者であるウィロビー・D・ミラーがむし歯の原因について「化学細菌説」を発表しました。ミラーは世界で初めて歯についた食べかすにむし歯菌が作用して歯の表面のエナメル質を溶かし、むし歯を作ると発表しました。ただこのむし歯菌を特定するまでには至らず、この化学細菌説から30年後、むし歯菌の正体は誰の口の中にもいる普段悪さをしない乳酸桿菌という日和見菌であるという説も出てきますが、乳酸桿菌である決定な証拠はみつかりませんでした。

その後昭和30年代に無菌動物の飼育ができるようになってから、無菌の動物に連鎖球菌の一つである「ミュータンス菌」を口の中に入れるとエナメル質が溶け出し、初めてむし歯菌が特定されるに至りました。さらにこのミュータンス菌は唾液を通して主に小児期にその家族から感染することまでわかってきた次第です。むし歯菌が特定されたわけですから、この菌を殺す抗生物質が開発されれば問題は解決されそうですが、口の中は唾液があるため薬物の濃度が保てません。またミュータンス菌は他の菌も巻き込んでバイオフィルムという膜のようなもので、バリアをつくるので薬剤がとどきにくいのです。やはりこまめな歯磨きとデンタルフロスや歯間ブラシ等で、機械的にバイオフィルムを除去することがむし歯予防には最も効果的なのです。さらにはフッ素の活用キシリトールの活用もおおいに効果があるのです。

 

 

 

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