抜く親知らず、抜かない親知らず
みなさま、こんにちは
川崎市「小島新田」駅から徒歩1分のパール歯科医院です。
当院は、歯を守りたい、健康を実現したいと願う方の歯科医院で、担当歯科医師・歯科衛生士があなたの健康をサポートいたします。
目次
1.はじめに
2.親知らずとはどの歯?
3.なぜ親知らずは抜歯すべきなのか
4.残しても良い親知らず
5.抜くか残すかはどのように判断する?
6.まとめ
1.はじめに
今回は、抜歯が必要な親知らずとそうでない親知らずの違いをお話します
「親知らずは早く抜いたほうがいい」という考えをお持ちの方も多いかもしれませんが、親知らずは必ずしも抜かなければいけない歯ではないのです。抜歯の際には少なからずリスクが存在するため、徹底した検査をもとに抜くべきか残すべきかを診断する必要があります。
2.親知らずとはどの歯?
親知らずとは、前から数えて8番目の歯です。智歯ともよばれています。英語でWisdom Toothつまり物事の分別がつく年齢で生える歯というのは名前の由来です一番奥の大臼歯で、第三大臼歯が正式名称となります。親知らずは20代ごろに生えてくるのが一般的で上下左右合わせて最大4本が生えることになりますが、最近は4本全て生えないという方も稀ではありません。また、自分ではまだ親知らずは存在しないと思っていても、実は歯ぐきの中に埋まっているということもあります。また、ごくまれになりますが「親知らず」の後方に第4大臼歯ともいうべきはがある人もいます。
3.なぜ親知らずは抜歯すべきなのか
「親知らずは早めに抜いたほうがよい」というイメージが定着していることには、以下のような理由が考えられます。
・親知らずが横向きや斜めに生えていた場合、歯ブラシが届かずプラークコントロールが不十分になる。特に親知らずの周囲組織が炎症をおこす、智歯周囲炎はなかなか自然に治りません。
・むし歯や智歯周囲炎は治療をしても再発しやすい
・むし歯や智歯周囲炎を繰り返すような場合、健康な手前の歯にも影響が及ぶ事が多い
・慢性的な痛みが生じているような場合は、抜歯をしないと根本的に解決しない
・親知らずが横向きや斜めに生えている場合、親知らずが押してくることで歯並びや噛み合わせに影響が出ることがある
上記のように、既にむし歯や歯周病、智歯周囲炎になってしまっている場合は、それらが悪化する前に抜歯を勧められるケースが多くなるでしょう。
4.残しても良い親知らず
一方、必ずしも抜歯をしなくてよいケースもあります。
・親知らずが完全に生えていて、プラークコントロールが行き届いている
・親知らずが完全に骨の中に埋まっており、他の歯に悪影響を及ぼす可能性が低い
・矯正治療や歯牙移植に利用できる可能性がある
・ブリッジの支台となる歯として利用できる可能性がある
5.抜くか残すかはどのように判断する?
親知らずを抜くべきか残すべきかは、歯科医師が肉眼でお口の中を診ただけでは判別できないことが多いのです。親知らずの生え方の状態やトラブルの原因となるものの多くは、歯ぐきの中の見えない部分に潜んでいることも多いからです。したがって、レントゲン検査で詳細な情報を得ることが重要になります。安全で確実な診断をするためには、詳細な検査と的確な診断が欠かせません。具体的には、2種類のレントゲン検査を行い、親知らずの情報を得ていきます。
・2次元のレントゲン検査
一般的な歯科治療にも広く用いられている「パノラマレントゲン」と呼ばれているものです。2次元のレントゲンを代表するもので、親知らずの抜歯可否を判断する際にも必ず撮影されます。目の下から顎先までの比較的広い範囲を映しだすレントゲンで、歯や金属は白く、粘膜などは黒く映ります。なお、むし歯になっている箇所は歯が溶けて密度が下がるため、黒く映ります。パノラマレントゲンでは、親知らずが生えている向きや歯ぐきの中にあるかどうかを、おおまかに把握することができます。
・3次元のレントゲン検査
2次元のパノラマレントゲンでも、親知らずの有無そのものやおおよその生えている向きなどは分かりますが、これだけでは情報として十分ではありません。そこで必要となるのが、3次元でのレントゲン検査です。
3次元のレントゲン検査では「コーンビームCT」が用いられます。コーンビームCTとは顎と顔面の両利きに特化したCTで、医科用CTのように横になって長時間かけて撮影するようなものではなく、数十秒~数分という短時間で撮影が可能です。撮影時間が短く、撮影できる範囲も限られているため、被ばく量もごく僅かで安全性の高い装置であるといえます。
歯科用CTで撮影される画像は、3次元の立体画像であらゆる角度から対象物を見られるようになります。もし抜歯をするとなった場合には、親知らずそのものの状態はもちろんのこと、親知らずの周囲に走っている神経や血管の位置を正確に把握することも大切です。これらの解剖学的な情報を十分に得たうえで、抜歯をすべきか、保存すべきかの診断をしていきます。
6.まとめ
今回は、抜歯が必要な親知らずとそうでない親知らずの違いについてご紹介しました。一般の患者様にはその判断は難しいものと思われます。お気軽にご相談ください。
当院ではこれまで数多くの親知らずの診断・処置を手がけており、通算で1000本以上の抜歯も行っています。親知らずの処置は歯科医師の経験と技術がものを言う処置でもあるため、実際に処置を受けた患者様からは「想像より楽だった」というお声もいただいています。親知らずの診断や抜歯は、ぜひ当院にお任せください。
医療法人アクアマリン パール歯科医院
院長 藤田陽一
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