お口の悩みをお持ちの皆様、これができればはだいたい解決 プラークコントロール
昨今TVCMで綺麗な女優さん(上戸彩とか天海祐希とか)が、プラークコントロールとか歯周ポケットとか言ってくれるので、患者様への説明がとても楽になりました。自分が歯医者になりたての昭和の終わりは、プラークコントロールの重要性を伝えてもなかなか理解してもらえませんでした。
曰く、
「歯磨きなんてものは朝の身だしなみの一つで、仮にやらなかったとしても大きな問題にはならない、だいたい歯なんてものは年齢とともに自然と抜けていくものだ。」
と本気で考えていた患者様たくさんいました。
こういった患者様にプラークコントロールの大切さを伝えるのは一苦労、若かりし自分の話し方も拙かったかもしれませんが、当時「プラークコントロール」「歯周ポケット」なんていう言葉を知っている患者様はほぼ皆無、プラークコントロール指導に尋常ならぬ苦労がありました。
さてお口の中の2大病といわれるむし歯と歯周病は、徹底的なプラークコントロールを行うことでかなり防ぐことができます。
このプラークコントロールで除去すべきプラークあるいはバイオフィルムといわれる物質は、以前も記したように歯周病菌やむし歯菌の巣窟で、種々の問題を起こす原因です。
そしてここからが複雑なところですが、プラーク・バイオフィルムの中にいるむし歯菌も歯周病菌も1種類ではないのです。
明らかな悪玉菌、さらに日和見菌という少しだけ悪玉菌、さらには全く悪さをしない菌がお互いに助け合い、支えあいながらプラーク内の社会を築いています。
そして悪玉菌が勢力を伸ばしプラークが十分成熟したり、人間の免疫力がおちてきたりすると、この悪玉菌が大暴れ、さらには普段は大人しい日和見菌までもが調子に乗って大暴れという状況になってしまうのです。
ここでプラークコントロールの重要性がでてくる次第です。
しかしある意味プラークを100%除去するというのは、無理なことであることご存知でしょうか。プロフェッショナルである歯科医師や歯科衛生士でさえ、ブラッシング後の歯の汚れを確認する染め出し検査をすると、数%ですが汚れが残るものなのです。
ただ明らかに言えることは、口腔内の悪玉菌の数を減らす、そしてプラークを成熟させないということです。
プラークの成熟は約24時間かかると言われています。
むし歯菌・歯周病菌が歯の表面や歯周ポケットに住み着いて、仲間を増やして日和見菌を仲間に引きずり込んで悪さをするまでの時間です。
理論上24時間に1度お口の中のプラークを100%除去すれば問題はなくなるのですが、100%除去は前述したように原則無理ですし、お口の中に食べ物、特に甘いものが入るとむし歯菌が活性化されるのです。
結論としては夜寝る前にに時間をかけて徹底的にプラークコントロールを行う。そしてその後は何も食べずに就寝する。また食後は簡単でもよいので同じく歯を磨く、最後に健康な状態を保って免疫力を高く保ち、タバコを喫わないということです。
俳優の大泉洋が「これ使っときゃだいたいうまい!!」というめんつゆのCMがありましたが、同じくこれができればお口の悩みはだいたい大丈夫です。ただ厳密にいうとプラークコントロールの他、咬合力のコントロールも必要になるのですが、これについてはまたいつか。
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