インプラントの寿命を縮める周囲炎とは?
こんにちは。
川崎区小島新田駅前のパール歯科医院です。
今日は前回書いたインプラントの寿命を
縮める歯周病について書かせていただきます。
40歳以上の日本人の大部分の人が
歯周病に罹患(病気にかかる)している事を
ご存知でしたか?
日々の生活習慣が
この病気になる危険性を高めることから、
生活習慣病のひとつとも考えられます。
インプラントはチタン等でできた人工物です。
ですので虫歯にはなりません。
しかし、歯周病にはなるのです。
昔はインプラント周囲への
感染による病気はないと
考えられていましたが、
インプラント周囲も
プラークによる歯周病と
同じような病気が発現し、進行するのです。
歯周病は、歯に付着した細菌の塊によって
引き起こされるある種の感染症です。
歯肉炎に始まり、放っておくと
歯にそって細菌が侵入し、
歯を支えている歯周組織、
つまり歯の根の周りにあるセメント質や
歯槽骨などを破壊します。
この歯周組織を失った状態が歯周炎です。
このまま放置しておくと
最後には歯が抜けてしまうので
進行を止める治療が必要です。
プラークは口の中にある歯のような
固いものに付着します。
上記の通り、
歯と同じようなインプラントにも
プラークは付着します。
インプラントにプラークが付着すると、
インプラント周囲の歯肉にも
歯肉炎と同様に
炎症を発症してしまいます。
インプラント周囲の歯肉に
炎症が起こることを
インプラント周囲粘膜炎といいます。
そしてインプラント周囲粘膜炎も
歯肉炎と同様に歯ブラシなどで
プラークを除去すれば治すことが可能です。
歯周病が歯面にそって進行するように、
このインプラント周囲粘膜炎も、
放っておくと感染が進行し、インプラントを
支えている顎の骨が喪失してしまいます。
つまり、インプラントを支える顎の骨に
炎症が達した状態、
すなわちインプラントの歯周病を
正確にはインプラント周囲炎と呼びます。
そして、インプラント周囲炎の要因は、
従来の歯周病と全く同じでプラーク内の
歯周病菌による感染です。
また、喫煙することや
噛み合わせに問題があると、
インプラント周囲炎は
悪化のスピードを早めます。
インプラントの周囲では天然の歯に比べ、
歯周病菌に対しての防御機能が弱いので
歯周炎に比べて
進行は早くなる傾向があります。
天然の歯に比べてインプラントの方が
口腔内のケアが難しいといえます。
ではインプラント周囲炎の治療方法は、
どのようなものなのでしょうか?
インプラント周囲炎になってしまった場合の
治療方法は、進行の度合いによって
幾分変わってきます。
基本的に行うことは細菌の除去であり、
インプラントの周囲に蓄積してしまった
歯石やプラークを専門の器具で除去します。
さらに歯周ポケットに薬剤を詰める、
または薬剤などでうがいをして
口腔内の殺菌も行います。
初期段階のインプラント周囲炎なら
これだけで完治は可能になります。
しかし、これでも改善が見られないほど
進行している場合は
ほかの治療方法に移ります。
具体的には、歯肉を切開して
インプラント体を取りだして磨く、
または歯周ポケットを切除する
といったことを行います。
さらに顎の骨が
溶かされてしまった場合などは、
骨移植などの再生療法などで
対処する場合もあります。
インプラント周囲炎は怖い病気ですが、
歯磨きと定期的なメインテナンスを
しっかり行うことで予防出来ます。
また、定期的なメインテナンスなどを
欠かさなければ例え症状がでてきても
初期の段階で良くなります。
インプラントが
抜け落ちる事態になってしまうと
治療も大掛かりになります。
インプラントは天然の歯以上の
ケアや注意が必要だといえます。
ですので、
インプラント治療をおこなった際は
しっかりとしたケアを心がけましょうね。
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