老化を防ぐ歯の清潔革命ってご存知でしょうか?
「もういい年になったから、歯が抜けるのは仕方がないですよね!」
こういった主張をする患者様、最近少なくなりましたが今でもいらっしゃいます。
歯がなくなるのは老化が原因ではないことご存知でしょうか。
年齢が進むと髪の毛が白くなったり、筋肉が少なくなったり皮膚にしみや皺ができてきます。これらは老化現象で、ある程度は防げますが根本的な解決は不可能です。しかし歯とそれを支える歯肉は適切なメインテナンスをすれば老化とはほぼ無関係で機能性・審美性が損なわれる事はありません。
先進国の中で、かつて日本は歯の喪失に関して際立って悪い結果がでていました。近年だいぶ改善されてきましたが、それでもまだまだの状態です。歯の喪失の原因は①歯周病②むし歯③過大な咬合力でほぼすべてとなります。このうち歯周病とむし歯は、それぞれ歯周病菌・むし歯菌が原因です。お口の中には数え切れない種類の細菌が住み着いており、明らかに人間に害を及ぼす悪玉菌 役に立つ善玉菌 そのどちらでもない日和見菌の3種になります。歯周病菌・むし歯菌は悪玉菌の最たるものであること言うまでもありません。
この悪玉菌が寄り集まって歯についたものが、プラークあるいはバイオフィルムと呼ばれるものになります。このプラークを徹底的に除去することが歯の喪失を回避する最大のポイントとなります。プラーク除去には言わずと知れた歯磨きです。その基本はまず歯ブラシの毛先を歯面に45度から90度のあいだであて、毛先が歯と歯の間あるいは歯と歯肉の歯周ポケットといわれる溝に届くようにあてがいます。ちなみに45度にあてる方法をバス法90度にあてる方法をスクラビング法と呼びます。歯周病が気になる人はバス法、むし歯予防を考えている人はスクラビング法を意識してもいいかもしれません。そして150~200グラムの比較的軽い力で小刻みに動かします。この小刻みな動きがほとんどの患者様ができていません。1センチ以上の振幅だと小刻みとはいえなくなるのでご注意ください。そしてそしてこの磨き方で上下左右裏表と磨くと大変時間がかかります。具体的には20分程度かけてください、黙って洗面所で磨き続ける必要はありません。テレビを見ながら本を読みながらでも構いません。特に夜寝る前が一番大事です。磨いた後は決して食べ物を口に入れないようにしましょう。さらに加えてデンタルフロスや歯間ブラシの使用もお勧めします。その道のプロフェッショナルである歯科医師や歯科衛生士が上記の方法で磨いても、歯についたプラークの60%程度しかきれいにならないという報告もあります。残りの汚れの大部分は歯と歯の間に残るのです。歯を磨くというのは手間のかかることですが、この文章の最初に書いた通りきちんとお手入れすれば老化せず若い時と同様の機能を果たしてくるのです。
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